学校に通えば避けては通れないのが数学です。数多くの学生の心をへし折ってきた難関は今も昔も健在です。苦手だったという人も多いのではないでしょうか。
今回は数学でつまづきやすいところをまとめました。
秒速1cmで動く点P
誰もが納得いかない数学の問題ぶっちぎりの第一位は「動く点P」です。
俗に動点問題と呼ばれる問題です。点が動くことによって変化する面積や線の長さを求めさせるのが一般的な出題傾向です。「動く点Q」という兄弟もいるようです。
奴らは一体なぜ動くのか、何のために動き続けているのか。動いている間、奴らは一体何を考えているのか。何のために存在するのか。もはやその存在や動き全てが不可解です。
その意味不明さで数多くの生徒を困らせてきた存在感は圧倒的と言えるでしょう。
確率、場合の数
数I・Aの鬼門と言えば「確率・場合の数」でしょう。
長さや面積を求める問題は何を求めればよいのかが具体的なので、問題としては分かりやすかったと思います。
しかし確率というのは多くの人にとって抽象的です。例えば、
「○○の期待値を求めよ」と言われても
「そもそも期待値って何?」
「それってどういう場合の話をしてるの?」
といった具合に、そもそも何を求めればよいかがはっきりしないので、解きようがなく途方に暮れたという方も多いのでしょうか。
せっかく丁寧に場合分けして計算しても、ダブルカウントによる数え間違い等により減点を受けることも多いです。しかも一回数え間違いをしてしまうと、それ以降の問題全ての計算が狂うため、ワンミスで大量失点の危険があります。
そのため、数学を得意とする生徒でも満点を取ることが難しく、苦手な人はさらに難しく感じやすい分野と言えるでしょう。
図形の問題
図形の問題も多くの人が苦手とする分野です。
公式等を駆使して理詰めで解いていく事が多い数学の問題ですが、中でも図形の問題は一味違います。図形の問題は空間認知力や想像力、発想力を必要とする分野です。
問題が分からなくて解答・解説を読んでいると、いきなり「ここで補助線を引くと~」などの文言が出てきて焦ります。
「なんでそこでいきなり補助線引こうと思ったの?」
「なぜそこで補助線を引くという発想に思い至るの?」
といった具合に、「確かに補助線をそこに引けば解けるのは分かったけど、どうやったらその発想ができるようになるのか」ということに関しては一切言及がないからです。
メネラウスの定理などチェバの定理など、聞いたことのないような公式も登場します。
たくさんの問題を解いていけば勘が養われて解けるようになるとはいえ、右脳的な力を必要とする図形の問題は一筋縄ではいかないようです。
三角関数
図形と計量の分野で、いわゆる「三角比」の問題です。
高校で文系に進学した人の多くはこの「三角関数」で挫折したのではないでしょうか。
今までは長さや面積を求めれていれば良かったのに、いきなり直角三角形をもってきて訳の分からない記号が登場してきます。それこそが、三角関数「sinθ, cosθ, tanθ」です。
一度覚えてしまえばなんてことはありませんが、いきなり「サイン・コサイン・タンジェント」などという呪文めいた言葉と定義を覚えさせられるストレスは、多くの人を数学嫌いにさせてきた実績があります。
微分・積分
高校数学のラスボスと言えるのが「微分・積分」です。
今まで扱った三角関数や対数・指数関数なども全てをひっさげて繰り出してくる恐ろしい分野です。ゆえにそこでつまづいてしまっている人はスタート地点に立つことすらできません。
微分法・積分法ともに種類が異様に多く、覚えるだけで一苦労です。問題を見てどの微分法が使えるのか、どの積分法を使えば解けるのかを瞬時に判断し、実際に完答できるようになるには膨大な問題演習を必要とします。
実は大学数学や物理学とも関わりが深く、そこに気づけるほどに習熟すれば一番面白い分野でもあります。