ダイエットや勉強など、継続すれば必ず良い結果が得られると分かっているのになかなか続かなくて苦労している人は多いのではないでしょうか。
「習慣が人生を作る」の言葉通り、良い習慣を身に付けることができればより良い人生を歩む可能性は高まります。
今回は、三日坊主で終わらず物事を長続きさせるコツについて調べました。
目次
タスクを小さく分割する
あらゆる物事にあてはまることかもしれませんが、自分のやるべきことを「小さく分割する」というのは非常に有効な方法です。
何かをやる前に面倒くさいと思う人は多いですが、これの原因は、ただ単に「自分が今からやろうとしていることが大きすぎて完了するのに時間がかかるように思われるから」なのです。
例えば、「7月中に夏休みの宿題を全部片づけよう」という子供がいますが、こういう子供は大抵の場合、8月後半まで宿題にほとんど手が付かず、8/31に焦ってやる羽目になります。
これは「夏休みの宿題全部」というタスクがあまりに大きすぎて、取り掛かったとしても完了するのに時間がかかりすぎる、いつ終わるかが予想すらできないから手を付けようという気にならないからです。
人間は、「大きすぎるハードルにも果敢に立ち向かい、飛び越えていこう」なんて考えるほど勤勉でも勇気ある生き物でもありません。人間は自分の手に負える範囲のことしかやろうとは思わない生き物です。
人間は自分の力量から計算して、「現実的に自分の手に負える範囲のこと」かつ「今の自分でもちょっと頑張れば達成できる」と思ったときに初めて重い腰を上げる生き物なのです。ゴールの見えないマラソンは誰一人完走することができないからです。
その事実をよく理解して、今自分にやれるくらいタスクを小さく分割し、それらを一つずつ片づけていくようにしましょう。
達成目標を時間制限付きで設ける
人間がダラダラとしてしまう全ての原因は「タスクに時間制限を設けていないから」と言えます。
人間は明確な目標がないと頑張れないのです。ただ漠然と頑張ろうと思ったところで、何をどう頑張ればよいのか分かりませんから、結局、何もできません。必ず「何を、いつまでにやるのか」をはっきりさせておかなければなりません。
夏休みの宿題を8月後半までやらないような怠惰な子供でも、「8/31までにこれだけやらなきゃいけない」という必達目標があるから、火事場の力でなんとか終わらせることができるのです。
このように、締め切りは人の本気を引き出す効果があると言えます。この性質を利用しない手はありません。毎日「何を何時間以内に終わらせるのか」を設定することで面倒くさくてサボりたいという気持ちを打破することができます。
無理やりでも、ほんの少しでも毎日やる
習慣化するためには「ほんの少しでもいい、その代わり毎日やること」が大事です。
それに無理やりでも毎日やることで以下の効果が期待できるのです。
作業興奮
物事が長続きしないのは「やる気が出ないから」というのが一番多い理由ではないかと思います。しかし、物事をやることにやる気の有無は関係ありません。
なぜなら「やる気はやり始めてから湧いて出てくるもの」だからです。
というのも、やる気を司る脳の「側坐核」と「扁桃体」は作業をやり始めてから活性化し始めるからです。それらが活性化したその後、やる気を司るホルモン類が徐々に分泌されてきます。
この現象を作業興奮と呼びます。
ちょっとだけと思って、何かを実際にやってみたら、気づいたら一時間経ってたという経験は誰にでもあるかと思います。これはやり始めてからやる気が沸いていたという証拠です。
多少面倒臭いと思うことでも、少しでもやってみると気づいたら10分、30分、1時間とやっているものです。だから毎日少しでもやってみましょう。
慣性の法則
慣性の法則とは、「何か力が加わらない限り、静止した物体は静止し続け、動く物体はそのまま動き続けようとする」という物理法則のことです。
実は、人間の行動にも慣性の法則が働きます。つまり、一度やり始めればやり続けようとする力が勝手に働くのです。
車も一番力を必要とするのは静止状態から動き出す瞬間だけで、運行中はさほど力を必要としないのです。動き出してしまえば慣性の法則が働くので、さほどエネルギーを必要とせず動き続けることができるのです。
人間も一番エネルギーを必要とするのはやり始める最初だけであって、実際にやり始めると思ったより楽にやり続けることができるものです。
三日坊主を何回も繰り返す
三日坊主で終わってしまうことを必要以上に恐れている人もいるようですが、そんな心配は無用です。なぜなら、三日坊主を10回続ければ習慣となり、後は楽に継続できるようになるからです。
しかも「三日坊主を何度か繰り返そう」という作戦には以下のようなメリットがあります。
潜在意識の法則
人間の行動の大部分を支配しているのは無意識の世界、いわば潜在意識の世界です。そして、良い行動を習慣付けたいというのは、言い換えれば「ある特定の行動情報を潜在意識に刷り込む」ということです。
実は潜在意識に何かを刷り込むための方法は一つしかありません。
それは「何度も繰り返すこと」です。
脳は、情報(行動)の重要度を「脳に刺激として入ってきた回数」で判断しています。何度も何度も入ってきた情報(行動)は重要と判断して記憶として定着させます。
そして何度も何度も何度も繰り返し入ってくる情報(行動)は特に重要なものとして、潜在意識に定着させます。これがいわゆる「体が覚えている」という状態です。
この状態にまで入ってしまえばあとは楽勝です。なぜなら、自分の意思とは関係なく体が自動的に動くからです。しかも潜在意識まで叩き込まれたことは、ちょっとやそっとじゃ忘れません。
三日坊主でもいいので、何度も繰り返すことが重要です。理想は、毎日毎日繰り返して、歯磨きや風呂に入るのと同じくらい当たり前と思えるようにすることです。
心理的ハードルを下げる
やる前から面倒くさいと思ってしまうのは、やり始める前からハードルが高そうに思えるからです。しかし、三日坊主でも、実際にやってみると心理的なハードルが下がります。
最初から長続きさせようと意気込んでしまっては、やる前からやる気をくじかれます。
「三日坊主になってもいいや。たとえ三日坊主になっても、どうせ何回か同じこと繰り返せば結果オーライなんだから、やるだけやってみよう」ぐらいの方が、心理的ハードルが低いので、実際には長続きするのです。
完璧を目指さない
完璧主義というのは最悪の悪癖です。今すぐ捨てましょう。
本人は完璧に仕上げたと思っても、他人からしてみれば穴だらけということも珍しくありませんし、そもそもこの世に完璧なものなど存在しません。完璧を目指しても、それはゴールのないマラソンを走り続けるかのようなものであり、不毛なだけです。
完璧を目指すあまり時間がかかり過ぎて時間切れ、ちょっとうまくいかないことがあったら「完璧じゃないからもういいや」という途中放棄になるのがオチです。
皆さんも経験則として分かっているかと思いますが、完璧に仕上げようと思っても予想外のことが起きたり、思ったより難しかったりで何でも計画通りには進まないものです。
習慣化のためには毎日やることが大事であって、毎日毎日完璧を目指していたら疲れてしまいます。
毎日やるためにはある程度の妥協が必要と割り切って、「完璧ではないけど、できる限りのことはしたぞ」と考えるようにしましょう。
つまり、「Best(完璧)よりもBetter(より良い)を目指そう」ということです。