世の中には20代という若さにして数千万円単位の貯金を持っている人が居ます。
彼らは別にプロ野球選手や大企業の役員などの高収入を得られる職業についていたわけでもなく、ごく普通の会社員です。
彼らは一体どのようにしてそれだけのお金を貯めたのでしょうか。その方法を調べていくと、いくつかの「貯金の極意」を突き止めることができました。
今回は彼らの「貯金の極意」について、調べた結果をまとめました。10項目あって長くなってしまったので、前半5つと後半5つに分けて紹介します。
目次
意地でも現金を使わない
「お金を貯めるためには、お金を使わなければいい」
当たり前のことではありますが、「貯金=収入ー支出」です。つまり、貯金額を増やすためには基本的に、
①今より多くのお金を稼いでくる
②今より少ない支出にする
の二通りの方法しかありません。プロ野球選手や企業役員など、自分の成果によって多額の報酬が見込める職業なら話は別ですが、大抵の人は会社勤めであり、給料はあまり増えません。
であれば、①の方法を取ることは実質的に難しく、貯金のためには必然的に②の方法を取る必要があります。
したがって、普通の人が貯金を増やそうと思えば徹底的に節約して支出を減らすしかないのです。
多額の貯金を築き上げるような人たちは、この事実をはっきりと認識しています。だからこそ、徹底的なコストカットを厭わず、現金を意地でも使わずに貯金へ回す方針を貫くことができるのです。
無駄な人間関係を断つ
「多額の貯金を築き上げるような人は、人間関係を断つ人が多い」ことが分かりました。
多くの場合、お金が減るのは他人との付き合いが原因です。付き合いで飲みに行けば軽く数千円、他人に会うためにはそれなりの服装や清潔感を整えておく必要があるので、服飾代や美容室代などもかかります。
待ち合わせ場所に行くためには交通費も必要ですし、人によっては見栄のために時計や車などを買いそろえる場合もあるでしょう。
他人に渡すためのお土産や記念品などを購入する必要もあるでしょうし、とにかく人付き合いというのはお金がかかるものなのです。
そうやって築き上げてきた人脈が次の仕事のきっかけとなって収入増大をもたらすならば、人付き合いのための費用も先行投資・必要経費として好意的に解釈できますが、役員クラスの人でもない限り、大抵の人付き合いはただの馴れ合いで終わってしまいます。
多額の貯金ができる人は、「大抵の人間関係は時間と金を無駄にするだけ」という事実をはっきりと認識しており、無駄な人間関係をバッサリと切り捨てることによって大幅な支出カットに成功しているようです。
もちろん、人間関係を切り捨てすぎるあまり孤独になってしまっては本末転倒です。関わるだけ無駄な人間関係は切り捨て、必要な人間関係には支出を惜しまないといったメリハリも大事です。
人生の4大コストを全て切り捨てる
貯金額を劇的に増やすためには、どうしても「人生の4大コスト」をバッサリと切り捨てる必要があります。
人生の4大コストとは、「家・車・家族・結婚」の4つのことを指し、ホリエモンこと堀江氏が著書の中で指摘したものです。
いずれも「多額の費用がかかるだけでなく、継続的にお金がかかるのでそれを維持するのは非常に困難」という特徴を抱えています。
そのため、貯金を志す人にとっては絶対に避けなければならないものなのです。
持ち家
よく日本には
「家を買ってしまえば家賃を払わなくていいうえに、買った後には家という資産が残るから、持ち家派の方が賃貸派より賢い」
という持ち家信仰を持つ人も少なくありませんが、それは勘違いです。
そもそも家は購入費用の時点で数千万円のお金がかかります。通常、それだけの現金を一気に用意することができないので、大抵の人は住宅ローンを組んで、数年もしくは数十年単位でローン返済に追われることになります。
その結果、ローンの金利分を住宅価格に割増しでお金を払うハメになります。せっかく買った家も経年劣化によって資産価値はどんどん下がり続けていきます。
何年も住んでいれば設備が壊れて修繕費も必要になりますし、経年劣化が酷ければリフォーム費用も掛かってきます。
しかも、家を買ったとは言っても、住宅ローンを支払い終わるまで家は銀行の所有物です。住宅ローンの支払いが滞れば家は差し押さえになって、後には多額のローンだけが残ります。
つまり、持ち家などとはいっても実際は、
「住宅ローンを完済するまでの間は、銀行から一軒家を賃貸しているだけ」なのです。
しかも住宅ローンを支払い終わっても、不動産を所有している人には毎年もれなく固定資産税がかかります。つまり銀行にローンを返し終わっても、今度は国に対して税金という名の住宅ローンを支払い続けなければならないのです。もちろん、固定資産税を払えなければその物件は国に差し押さえられます。
このように、家を持つ限りローンという名の借金からは逃れきることはできません。そして借金を抱えるような人が貯金できるわけがないのです。
結婚
人生において、結婚ほど多額のお金が必要になるイベントもそうないでしょう。
ある調査では、結婚式のために必要となる費用は平均で約390万円となっており、たった一日で消費する金額としては人生史上最大級です。
とはいえ、結婚式には「ご祝儀」という制度があり、呼び出した人たちから一人当たり3万円程度の現金が入ってきます。それらを予算に組み込むことによって、うまくいけば黒字で結婚式を乗り切れる場合もあるようです。
しかし、ご祝儀ありきで結婚式を決行しようとする夫婦や、「結婚式は一生に一度しかないライフイベント。せっかく行うのだから盛大に行いましょう」などといって多額の予算を組もうとする結婚式業者には年々厳しい目が向けられるようになってきています。
そうでなくとも、多額の貯金を目指そうとする人にとって、結婚式は行うのも無駄ですし、呼ばれてご祝儀を徴収されるのも無駄です。結局のところ、結婚式それ自体が無駄であり、経済的には何も良いことがありません。
結婚して幸せに暮らせるのならそれもまだ許せますが、現在の離婚率は3割を超えており、今もなお増大中です。離婚すれば慰謝料や養育費、婚姻費用といった支払いを課せられることになり、さらにコストアップとなります。
数千万単位の貯金を築き上げたい人は、こういった事情を察して結婚自体から遠ざかり、しっかりと自分のお金を守っているようです。
車
車ほど不経済な交通手段もないでしょう。
車は購入する時点で数十万、数百万円の費用がかかります。それだけの現金を一度に用意できるような人は別ですが、大抵の人は例によって自動車ローンを組むことになります。
その結果、ローン金利を割増しで支払わなければなりませんし、ローンの返済が滞れば差し押さえになります。
そのうえ、日本では自動車自体が金食い虫なのです。車を所有していれば自動車税、重量税、ガソリン税、消費税と意味不明なほどの税金を取られます。数年に一度、車検代もかかってきます。
当然、運転すればどこかに駐車したり高速道路を走る必要もでてきますが、そうすれば駐車代や高速代がかかります。事故に備えるための保険料だってバカになりませんし、そもそも運転するために免許を取るのも、免許を更新するのにもお金がかかります。
運転していて事故を起こせば修理代もかかりますし、もし廃車になってしまえば自動車ローンと動かない鉄クズだけが手元に残ります。他者との衝突事故ならば慰謝料や賠償金もかかります。
死傷者を出そうものなら数億円の慰謝料・賠償金がかかる上に、免許停止処分、危険運転致死傷害罪による実刑判決、それに伴う解雇処分というコンボにより、その時点で人生は即詰みとなります。
このように、経済的面から見れば車を所有するのは明らかに不合理であり、貯金を進めようとする人にとっては、車は無用の長物です。
家族
身も蓋もない話ですが、家族という存在もとにかくお金がかかるものです。
子供一人を大学卒業まで育て上げるためにはおよそ1000万円の費用がかかります。塾に通わせたり習い事をさせたり、私立高校や私立大学に進学させたい場合は3000万円ほどの費用がかかるとの試算もあります。
家族が居れば毎日光熱費や食費もかかりますし、学費や習い事の費用、文房具を揃えたり、体操服やシューズ、ランドセル、各教科の教材など多額の出費がかかることを考えれば、自ずとそれくらいの費用が必要になるということです。
そして専業主婦を抱えている家庭はさらにコストがかかります。家事や子育てで家庭に貢献してくれるのは助かるのですが、残念ながらそれらは金銭的収入を生まないので、家計的にとっては負担にしかならない存在なのです。
最近では稼ぐ女性も増えてきましたが、そういった女性から見ても、大抵の男は低収入のくせに酒やギャンブルで散在したり浮気したりで、とにかく邪魔な存在だという人も多いものです。
こうなってしまった現代社会では、もはや家族すら不要だと考える人も多く、実際、家族を築き上げるのは非常に大変でお金のかかることなのです。
したがって、少子化や核家族化を推し進めることになるので本来こういうことは勧められるようなことではないのですが、多額の貯金を目指す人にとっては、家族も切り捨てるべきコストとして見るべきだというわけです。
インデックス投資をする
投資と聞くとすぐにギャンブルだ危険だと騒ぐ人も多いですが、多額の資産(貯金)を築きたいのならば、投資は必須です。
インデックス投資とは、日経平均やTOPIX、S&P500、ダウ平均のような株価指数(インデックス)と同じ値動きを目指す投資方法のことです。 例えば、日経平均が5%上昇したら、自分の資産額も同じく5%上昇するような投資のことです。
インデックス投資といっても難しいことはなく、ただ証券会社に口座を開いてインデックスと同じ値動きをするように設計されている投資商品(投資信託やETF)を購入するだけでよいのです。
それらの投資商品には「インデックス投信」や「ETF」などがあり、総称して「インデックス・ファンド」と呼ばれています。
インデックス投資をするための方法は非常に簡単です。
インデックス投資をするための3つ手順
- 証券会社に自分の口座を開き、投資資金を入金する
- 購入したいものを選ぶ
- 投資する (商品を購入する)
投資の世界には積極的に儲けを狙いに行く「アクティブ投資」と、ほどほどに儲けようという「パッシブ運用」があります。インデックス投資はパッシブ運用にあたります。
投資をやったことのある人なら分かると思いますが、投資で儲けるのは一筋縄ではいかないものです。実際、アクティブ投資をするファンドの多くは市場平均より低い収益しか出せておらず、インデックス投資をしている人の方が結果的には儲かるのです。
その証拠に、以下のグラフを見て下さい。
(引用元:Yahooファイナンス)
青がNYダウ平均、赤がS&P500、紫が日経平均の過去30年間のチャートです。
これを見れば、何度か急落する相場があったものの、NYダウやS&P500は基本的に右肩上がりになっているのが分かると思います。つまり、それらに連動するインデックス商品に投資していれば自然と儲かるということを歴史が証明しているのです。
総資産9兆円越えの世界最強の投資家、ウォーレン・バフェットも以下のような言葉を残しています。
低コストのインデックス・ファンドは、投資家の大多数にとって、最も聡明な投資だ
ウォーレン・バフェット
現在、世界には1万種類以上のインデックス投信やETFがあります。したがって、自分に合ったインデックス投資が必ず見つかる時代になっています。
インデックスファンドは手数料も安く、購入した後は放置していれば自然と値上がりしていくので、非常に楽というメリットもあります。
事実、若くして多額の資産を築いたという人はこのインデックス投資によるところが大きいという人も少なくありません。
「何のために貯めるのか」という強い目的意識を持つ
多額の貯金を貯める人は「何のために貯めるのか」という目的意識がはっきりしている人が多いです。ただ漠然と将来のため老後のためと考えている人はあまり多く貯金できていません。
それもそのはずで、人間は手元にお金があるとつい使ってしまいたくなるものだからです。ただ漠然とお金を貯めようといった程度の甘い意識では、「今すぐ欲しいものを買いたい」という気持ちをねじ伏せて貯金に励むということはできないからです。
管理人が調べた限りだと、セミリタイア(会社を辞めて悠々自適の生活をすること)志望者が特に多額の貯金を貯められているようです。
というのも、今の日本では「手元に一億円の現金があれば人生勝ち確定」と言われているからです。なぜなら、一億円あればそのお金で適当な株を買って放置しておくだけで、後は全く働かなくても年間数百万円の配当金が口座に入金されるからです。
例えば、高配当で知られる日産やスバルなどの会社の株を買っておけば、配当利回りが約5.6%なので、一億円の5.6%、つまり560万円(税引き前)もの配当金が毎年入ってくるということです。
「一億円貯めてしまえば後は全く働かなくとも年収560万円」
この状態を目指そうという強い目的意識が節約を可能にする強烈な原動力になるというわけです。
前述のインデックスファンドやETFなら比較的安全に資産額を増やしつつ、継続的に配当金や分配金が受け取れるということで、こういった投資にお金を回したいという強い気持ちも、さらなる節約を生む原動力になります。